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馬券の売上比率とオッズ急落

コラム

どうも、ちゃんわです。

今回は「馬券の売上比率とオッズ急落」についてです。

最近、「オッズ急落」という言葉をよく聞きませんか?

この「オッズ急落」に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

今回は、その「オッズ急落」の原因を究明すべく、調査した内容を紹介しようと思います。

馬券の売上比率

まずはじめに、JRAの馬券の売上比率を紹介します。

ある日の中央競馬の売上資料を見てみます。

2022/12/11中山競馬の総売上(参照:https://jra.jp/datafile/seiseki/)

JRAはこのような形で毎日の競馬場ごとの馬券売上を公表しています。これをもとに分析します。

まず、馬券の売り上げに占める券種の割合です。

下の円グラフを見てください

馬券の売上金額に占める券種の割合

3連単と3連複で約半分を占めており、続いて馬連、複勝、ワイド、単勝、馬単、枠連と続いています。

これを見て意外だと感じる方がいるかもしれませんが、実は売上の上位は一発で多くの配当が得られる3連単や3連複だったのです。

最近、多く聞く「単勝を買え!」「ワイドがおすすめ!」などの意見とは異なっているということを考えると少し驚きですね。

オッズが急落する原理

次にオッズが急落する原理を説明します。

オッズが急落するとは、具体的に以下の様なことが発生しているということです。

オッズ急落の原理(具体例)
  1. ゴーゴーチャンワという馬の単勝を狙う
  2. ゴーゴーチャンワの単勝に大量の投票が入る
  3. 単勝売上全体にしめるゴーゴーチャンワの単勝の売上割合が上がる
  4. 売上割合でオッズが決まっているため、オッズが落ちる

という流れです。

図で表現すると、このようになります。

締切5分前と締切後の売上シェアの変化

馬Eと馬Fの単勝の全体に占める割合(シェア)が急増しています。

このようにシェアが増えると、オッズも一気に落ちます。

実際にこの例では、このように急落しました。

オッズ急落具合

オッズは馬券売上金額全体に占めるその馬券の売上金額の割合で決まる

オッズが急落する券種

次に、オッズが急落する馬券種について解説します。

以前、このようなアンケートを実施しました。

オッズが急落する馬券に関するアンケート

オッズが急落すると感じる馬券についてのアンケートでした。結果はこの通り単勝が圧倒的に一番多く、次いでワイド、馬連、三連系という感じです。

特にオッズが急落するのが単勝と感じているようですが、先程の円グラフを覚えていますか?

馬券の売上金額に占める券種の割合

馬券の売上金額に占める券種の割合ですが、気づくことがありませんか?

先程のアンケートでは、単勝>ワイド>馬連>三連系の結果でしたが、馬券の割合は単勝<ワイド<馬連<三連系となっていることがわかると思います。

つまり、馬券のシェアが小さい券種ほどオッズ急落しやすいということができますし、実際にそうです。

これも原理としては同じです。

単勝の場合は、1,000,000円が動くとシェアが0.1%変動します。

一方、3連複の場合は0.04%しか変動しません

つまり、シェアが変動しやすいのは売上金額が低いもの=売上シェアが低いもの=単勝という構図になります。

馬券の売上比率が低い馬券種はオッズが急落しやすいということになります。

単勝や馬単、枠連もおそらくオッズ急落が激しい馬券といえるでしょう。馬単や枠連は買う人が単勝よりも更に少ないため目立ってこなかっただけです。

馬券シェアが小さい券種はオッズ急落が発生しやすい

オッズが急落する馬の特徴

次にオッズが急落しやすい馬の特徴を調査しました。

その結果を紹介します。

オッズが急落する馬の特徴は、「単勝1倍台の馬がいるかどうか」で変わってくることがわかりました。

単勝1倍台の馬がいる場合といない場合の2つのパターンで特徴を紹介します。

単勝1倍台の馬がいる場合

通常、単勝1倍台の馬がいる、つまり「圧倒的1番人気」が存在するということになります。

馬券ファンとしては、「馬券で大きなリターンを得たい」「1倍台の単勝では儲からない」「1倍台の馬以外の単勝の期待値が大きくなるのでは」などと思うのではないでしょうか。

自分も馬券ファンとしてそのような心理になることは理解できます。

ですから、「その1番人気の馬を負かすことができると思われる馬」が締切直前に一気に購入される傾向があります。

「1番人気の馬を負かすことができると思われる馬」とは、どんな馬でしょうか。

3~5番人気の馬

日本の馬券ファンは優秀であるがゆえに単勝支持率と勝率はほぼイコールの関係が成り立っています

例えば、単勝オッズが1.5倍の馬は単勝支持率に換算すると53.3%(=0.8÷1.5)です。

実際に、単勝1.5倍の馬の勝率を確認したところ、55.4%でした。(※2019.01.01~2022.12.11までの集計結果)

かなり近い結果になっていることがわかります。

とすると、1番人気を倒せる可能性が高い馬は、次の人気の2~4人気あたりの馬になると予想する人が多いのは想像しやすいでしょう。

具体例を見てみましょう。

2022.12.11 阪神1R 未勝利戦

こちらは、単勝1倍台がいるレースで、締切5分前時点で1~5人気だった馬のオッズ推移です。

  1. ザアグロが人気を背負っている以上、ザアグロの単勝を買うのは避けたいという大衆心理が働きます
  2. ザアグロ以外で勝てそうな馬をファンは探し、2~5人気の馬で勝てそう&オッズが付きそうな馬を探します
  3. メイショコガシラが逆転のチャンスあり&5分前のオッズが魅力的であると気づきます
  4. メイショウコガシラに多くの票が入ります
  5. 気づくとメイショウコガシラのシェアが5.1%→8.1%に上昇しました
  6. そして締切後に単勝オッズが一気に下がります

この締切直前でような大衆心理の動きがあり、オッズの急落が発生します。

もちろん2~4番人気の馬にもオッズが動く可能性があり、1倍台の馬が人気をかぶるために、2~5人気の馬でも「このくらいオッズがつくなら買おう!」という心理が働くのでしょう。

この例では、結果として1人気のザアグロが勝ちましたが、メイショウコガシラは2着と人気以上に好走し、大衆の読みも結果的には間違っていなかったがたまたま勝てなかった。という結果でした。

これが、単勝1倍台の圧倒的人気がいる場合のオッズ急落の特徴です。

1倍台がいない場合

基本的にはこちらの場合のほうが多いと思います。

そして、こちらの場合のほうがオッズ急落が発生するパターンも種類が多いです。

前提としては、締切5分前時点で単勝10~30倍台の中穴馬で、かつ以下のような馬がオッズが急落する傾向があります。

  • 昇級2戦目の馬
  • 大きな距離の変更(短縮・延長)がある馬
  • 当クラス好走歴有り&鞍上強化
  • 前クラスでずっと人気→昇級初戦の馬
  • 4,5番人気の昇級初戦の馬
  • 3歳重賞→古馬混合初戦凡走→2走目

一部被っている馬もいるかも知れませんが、ざっと代表的なオッズ急落傾向がある馬の特徴です。

具体例を紹介します。

例 2022.12.04 中山7R アジアノジュンシン

このレースは、16頭立てで、締切5分前の時点では、1人気は3.2倍、2人気4.3倍、3人気4.4倍と三つ巴の様相でした。

そしてこのアジアノジュンシンは7人気21.0倍と中穴馬の立ち位置です。

これまでのレースでは、丸田Jや藤田菜J、内田Jが騎乗しており、このクラスでも3着や4着の好走歴はありこのクラスでは上位に食い込める余地があると考えられる馬です。

前走は松本Jに乗り替わり3着と好走。そして今回はMデムーロJへの乗り替わりと明確な鞍上強化です。

その効果もあってか、締切後には単勝オッズはおよそ半分に。

単勝馬券のシェアも3.8%→7.5%まで急上昇しています。

今回のパターンは「単勝オッズ10~30倍の中穴馬」という前提+「当クラスで好走歴あり&鞍上強化」のパターンです。

先程挙げたパターンはよく発生するので、馬券検討の際に「オッズ急落が発生する可能性があるかどうか」というのを考える際に役立ててください。

そして、先程のパターンも一部に過ぎません。他にもいろいろなパターンがあると思いますので、ぜひ探してみてください。

オッズ急落への対策

最後に、「オッズ急落への対策」について私見を述べて終わりにしたいと思います。

ここまでつらつらと述べてきたように、オッズ急落は多くの方が感じている現代競馬に対する競馬ファンの大きな課題で、これを克服できれば馬券の回収率もグンと跳ね上がるでしょう。

もちろん的中するに越したことはありませんが、的中したのに確定オッズを見て凹んでしまっては悲しいです。

ということで、対策を紹介します。

単勝に代わる馬券でオッズ急落を防ぐ

これに尽きます。

「何を言っているんだ?」と思われる方もいるかも知れませんが、単勝のオッズが下がるのであれば、単勝と同じ働きをする馬券を購入し、オッズ急落を防ごう!という発想です。

これだけだと、抽象的すぎるので具体例を示して解説します。

単勝→馬単全流し

つまり、こういうことです。

単勝とは、「選んだ馬が勝利すれば的中」ですよね?

馬単全流しも、「選んだ馬が勝利すれば的中」です。同じではありませんか?

確かに単勝であれば1点しか買わなくて良いものを馬単全流しなんてしたら、16頭立てなら15点も買うことになるじゃないか!と思う方もいるかも知れません。

馬券を100円、500円の世界で購入する方にとって見れば、馬単全流しは購入金額がOverするので購入できないかもしれませんが、馬単全流しであれば単勝のオッズ以上に配当が付く可能性もあり、2着馬次第でかなりの高配当も期待できるのです

実際のレースで見てみましょう。

2022.11.26 阪神6R

このレースは9頭立てでした。

このレースはワンダフルトゥデイが単勝1.5倍に支持されており、先程の説明通り3~5人気の馬のオッズが急落する可能性がありました。

そして案の定、勝ったオブジェダートは直前4人気13.1倍から3人気10.1倍にオッズが急落しています。

ここで、単勝800円を購入していた場合と、馬単全流し1点100円の計800円を比べてみましょう。

単勝と馬単全流しの比較

いかがでしょうか。

馬単をオブジェダート頭で購入した場合、最低でも25.1倍、最高で1075.0倍となっており、8点買ったときの合成オッズは11.6倍となっています。

これは単勝の確定オッズ10.1倍を超えており、しかも的中時の高配当の可能性も秘めているという素晴らしい買い方ではないでしょうか?

もちろん2着の結果しだいでは、単勝を買っていたほうが儲かったという場合もあるかもしれませんが、馬単はときに素晴らしい威力を発揮してくれるのも間違いではありません。

こういう代替馬券の考え方を知っていると、例えば「単勝金額を予定の半分にして、その半分はボーナスという考えで馬単総流しに入れる」と言った方法も編み出せるのではないでしょうか。

もちろん単勝に限らす、複勝の代替馬券、ワイドの代替馬券などなど、様々な組み合わせ方、馬券構築方法があります。

詳しいことはこちらの本に馬券組み合わせの基本が書いていますので、この際に学び直すのもおすすめです。

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まとめ

以上が馬券の売上比率とオッズ急落というテーマの記事でした。

いかがでしたでしょうか。

馬券売上比率が低い券種ほどオッズ急落が発生しやすいということだったり、

オッズ急落は単勝1倍台の人気馬がいる場合と、そうでない場合で発生する馬の特徴が異なったり、

また、オッズ急落する可能性がある馬はこのどのような特徴があるのか、

単勝と同じ意味をもつ代替馬券の考え方などを紹介しました。

この記事が皆様の馬券構築の参考になれば嬉しいです。

以上、ちゃんわでした!

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